【巨人】岡本和真豪快弾！中田翔「完敗」自主トレ最終日に“ホームラン競争”で仕上がり見せつけた




すさまじい打球が、ネットをグラリと揺さぶった。岡本和が放ったのは、東京Ｄであればバックスクリーン上部に飛び込んだであろう“認定弾”。ひなた木の花ドームでの練習のラストメニューは、中田、北村、岸田と行ったホームラン競争。一番いい当たりを打った者が上がるルールで、２回り目で貫禄のイチ抜けを果たした。「順調に来てるんじゃないかなと思います」。中田も「すごかったね。完敗でした。和真に一発で仕留められた」と酔いしれるほどの当たりだった。

　昨年は開幕３戦で４安打と好スタートを切るも、そこから徐々に失速し打率は一時１割台まで低迷。自身最遅のシーズン５６打席目で初アーチと出だしでつまずいた。湿る４番のバットに比例するかのように、春先はチームも波に乗り切れなかった。「シーズンでいいスタートを切っていけるようにやっていきたい」と開幕に照準を合わせる。１９年は４月だけで７発を放ち、チームも首位を走った。４番が打てば自然とチームも勢いづく。予行演習のような打球に、主砲としての自覚がにじんだ。

　合同自主トレ最終日。フリー打撃を解禁し、徐々に強度を上げながらセンターから逆方向へ３６スイングした。強引にならず、ミートの精度にこだわった。「僕は元々引っ張れる打者ではない。毎年一緒ですけど、逆らわずにやっています」。今年のテーマは「１年間、基本に忠実に」。ティー打撃では球団スタッフに下半身の動きを確認してもらいながら白球を打ち返し、ルーチンを丁寧に繰り返した。

　フリーでは打ち終えるたびに中田や中島らの元へ足を運び、膝や軸足の使い方について何度も質問をぶつけた。「人それぞれ使い方も考え方も違う。キャンプはそういうことができる時期。すごい選手がいっぱいいるので、僕にとってもプラスなことばかり」と、先輩２人の助言に熱心に耳を傾けた。

　スタートダッシュの下地をつくる１か月を前に、早くも爆発の予感がする。「量をやっていても、何も考えずに振っていたら時間の無駄。それはずっと自分の中で言い聞かせていること。ただやる練習はやらない」と、１球１球に意味を持たせている。キャンプが終わった頃、そして開幕にはどれだけ進化した姿を見せてくれるのか。揺れるネットに鳥肌が立った。（河原崎　功治）

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